18人が本棚に入れています
本棚に追加
それでも無愛想な仁を雇ってくれたのだから、感謝していた。もっとも人手不足で店も仕方なく雇ったという事情もあった。
ある夜、店に石川陽子が来た。仁の母、真理と石川陽子は従姉妹である。陽子は、仁より年上だけど、若く見える。仁の母は、陽子の母、アーニャと親しくしている。
陽子の父と仁の父は、同じ建設会社に勤めていた。だから、陽子の情報は、両親から入ってきた。
陽子は、演劇に夢中で役者だ。ロシア人の母、アーニャの血を引いていた。
陽子の目は、きれいなブルーだ。整った顔立ちで、注目される存在だ。
仁は、注文を取りに陽子のテーブルに行った。陽子は、すぐに仁だと分かり、大きくなった、立派になったと誉めた。
最初のコメントを投稿しよう!