3人が本棚に入れています
本棚に追加
夢と現実
太陽に見守られ、野を駆け回る。装い豊かな蝶や花が、私の回りを彩った。木々が語りかけてきて、雲も優雅に揺蕩っている。
際限ない青の天井。一つもくっついてこない視線。大の字で土に寄り添えば、温かな香りが心身を包む――。
今日はそんな夢を見た。幸せな夢だった。
*
目を開くと、やっぱり真夜中だった。古時計の音が、静けさを引き立てている。
大窓を覆うカーテンをすり抜け、月光が広い部屋を照らしていた。端の時計をも照らし、二時過ぎだと私に教えてくる。
失敗を目に映す度、無意識に息が漏れた。まだ一時間も経っていないなんて。
不必要に休息を強要されては、眠くなれるはずがないのよ、お父さま。
湧き出た小さな怒りは、自動的に悲しみへと変換された。
最初のコメントを投稿しよう!