甘く蕩けるような愛で

18/18

32人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
ハッと目を覚ませば薄明るい部屋の見知らぬ天井が視界に入り、起き上がろうとしても起き上がれなくて隣を見れば貴也の寝顔が視界に入る。どうやら抱きしめられているようで、俺はモゾモゾ動いて貴也の胸に擦り寄る。 「無理させ過ぎた」 「ううん。俺が頼んだから」 うっすら目を開けてまだ眠そうな貴也が愛おしくて擦り寄る。え?起きた時に腕の中に居るのこんな気持ちなの?すげえ幸せ… しばらくベッドでいちゃいちゃとしてから起き上がれば貴也も起き上がり項を甘噛みしてくる。本能が貴也の番になって喜んでるのが分かり、寝ている間に噛まれたのかと少し残念な気がしなくも無い。 「一緒に働くか?」 「バーテンダーとして?」 「やっぱりダメ…人目に晒すの勿体ない」 そう言って抱きしめながら唇が重ねられる。独占欲強すぎだろ…それを嬉しいと思ってる俺もどうかと思うがな。 その後本当に両親の墓を見つけてくれて、一緒に墓参りもしてくれた。相変わらず自由きままに生活していて、夜は仕事で忙しい貴也を昼間に誘惑して子作りに勤しむ。 四人目にしてやっと俺の元で生活する子。楽しみでたまらないが、俺以上に貴也も楽しみにしてくれていてそれが嬉しい。俺の腹はまた子を宿して大きくなっていて、二人で名前を考えるのも楽しかった。きっとこの先も二人…いや三人できっと幸せに生きられるだろう。そう願っている。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加