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満月の招待状
それ以来わたしは葉子の部屋に住みついた
学校に行かないと家に通報されるから
真面目に通った
お姉ちゃんに連絡すると何故かまともで
事情を説明したら
て き は いない 陣地にて1人 オーバー
とわけのわからないLINEが着た
家の外に制服やら生活品をダンボールで置いておいてくれた
お母さんはいまいち信用ならないから
少しだまっていようと葉子に指示された
わたしもそう思う 少しお姉ちゃんは心配だけど
お母さんの退院の日になった
学校に行って とりあえず葉子の部屋に戻り
病院に行こうとしたら
部屋に葉子がいなかった
めずらしく外出かな コンビニにしては遅いなと
大家のおばあちゃんに聞いたらわたしが学校行った後すぐに出かけたと言っていた
夜になっても葉子は帰らなかった
窓を叩く音がする
少し開けると黒猫のボクがベランダに座っていた
しかしこの猫 いつからわたしのまわりに居たんだろう、、
葉子もおばあちゃんも知らないと言っていたけど
ボクって名前も勝手にわたしがつけた
ボクは何かを咥えていた
キップだ
さるでんしゃ 五月雨駅入場券と書かれてある
五月雨駅って言えば 街のJRとは真逆の廃線になったローカル鉄道だ 今は無人になっている
イベントかな?
裏をみると
さるでんしゃはいつ来るのかわからない
満月の夜
夜霧のプラットホームにくる
と書かれていた
何かすごい嫌な胸騒ぎがした
空を見上げると 見たことがないような満月がベランダを照らしていた
わたしは外に飛び出した
なんなんだろ この嫌な嫌な胸騒ぎは
とにかく理由も行く理由もないけど
五月雨駅に走った
ボクが道案内するかのように
ブロック塀や路地裏を誘導する
知らない近道だ
繁華街の裏道は薄暗く黒猫のボクは水を得た魚のように飛び跳ねて行く
1度国道に出て また路地裏に抜けると
先程とは違う民家の暗闇になった
街頭のみで人はほぼいない
小さな遊具もない公園に出た
抜けてさらに五月雨駅方面に進もうとした時声がした
「レン」
振り返るとベンチに女の子が2人いた
ヤンキーのすみれちゃんといじめられっ子の高菜ちゃんだった
すみれちゃんの金髪ロン毛が満月の光で目立ちすぐにわかった
「どこ行くの」
「うん ちょっと」
わたしがなんと説明してよいかわからないで黙っているとすみれちゃんが握りしめていたキップを奪い表裏と眺める
「なんか わけありみたいだね」
とすみれちゃんはわたしにすまなそうにキップを返した
わたしは首を横に振ってボクの後を追おうとした時
「レン うちらもいく 高菜いくよ」
と高菜ちゃんの手を引いた
一緒に行く意味も見当たらなかったが
断る理由もなかった
「すみれちゃんと高菜ちゃんいつも一緒なの?」
小走りながらわたしはなんとなく聞いた
「高菜が学校行きたくないって言うから」
なんとなくわたしにもわかる
「高菜いじめてるやつら締めたら 裏で上履き隠しとか椅子画鋲とか 無視とかしてるらしんだよ
中学生かよ あいつら」
「すみれちゃんが夜に話しを聞いてくれて
いつもはうちか駅前のカフェとかファミレスなんだけど
今日は何故かこの公園に来てしまったの」
高菜ちゃん学校と違ってなんか明るいな
目や表情も月明かりでキラキラ見えた
メガネをとってるせいか
長い黒髪をなびかせてクラスのだれよりも美少女にみえた
「高菜はわたしやレンや葉子と居る時が楽しいんだってよ」
すみれちゃんの言葉で思い出した
「ようちゃんが連絡もなくいないの」
「何⁈あの自宅警備員がか?」
3人と1匹は先を急いだ
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