最初で最後の一夜

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* * *  初めて入ったお兄ちゃん以外の男性の部屋。雰囲気とか家具とか気にする余裕はなかった。  覚えているのは、今組み敷かれているベッドの広さと大きさに驚いたことだけ。 「あっ、んん……っ」  どうやって脱がされたのか覚えていない。いつの間にか着ていた服も下着も全部剥ぎ取られ、床に転がり落ちていた。  雄々しく筋肉質な上半身が私に覆い被さり、先程よりも荒々しく唇を貪られる。 「んっ、は……っ、や……っ!」  大きくてゴツゴツした両手が剥き出しにされた乳房を掴み、揉みしだく。時折突起を弾いたり、弄ったりまるで遊ばれているかのよう。 「いやっ、ぁ……っ」 「声、我慢するなよ」  だって、恥ずかしい。こんなの自分の声じゃないみたいで。 「あんっ」 「もう濡れてる」 「っ!」  かろうじて残っていたショーツも引き抜かれ、文字通り生まれたままの姿にされた。  今更襲ってくる羞恥心で脚を閉じようとするけど、無理矢理こじ開けられてしまう。 「本当にいいの?やめるなら今だけど?」 「っ、……めないで」  これが最初で最後だから。 「やめないで……」  好きな人と過ごせる最初で最後の夜、思い出だけ作らせて。
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