2767人が本棚に入れています
本棚に追加
ぎゅうぎゅう抱きしめた後、ちょっとだけ離して私の顔を真っ直ぐ見つめた。
「俺も紫が好き」
「…………本当に?」
「え、そこ疑うとこ?」
「だって、キリさんだし」
「俺のことなんだと思ってんだよ……」
「結婚とか言うし」
「俺もわからないんだよ……誰かに本気になったことないから。
だから、結婚したいって言えば……」
恥ずかしそうに、ちょっと気まずそうにするキリがかわいくてキュンとした。
結婚したいって言えば、本気さが伝わるかもしれないって思ったってこと?
「……それくらい、私のこと好き?」
「うん、好き」
「……。」
すぐ近くにあった枕を引っ張って、顔の上に乗せて隠す。
「なんで顔隠すの?」
「今変な顔してるもん」
「変な顔?」
「ニヤついて、めっちゃ変な顔してる」
めちゃくちゃニヤニヤして絶対変な顔だから見られたくない。
だって、こんなに嬉しいと思ってなかったから。好きな人に好かれることが。
「きゃあっ!」
なのに枕を剥ぎ取られてしまった。
「見せてよ」
「や、やだ」
「全部見せて」
「っ!」
首筋にちゅうっと吸い付かれ、そのままちゅっ、ちゅっと鎖骨や胸までくまなくキスされる。
「あっ、やっ」
「紫の全部が欲しい」
「……っ!」
最初のコメントを投稿しよう!