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――これは中毒だ。
クラクラするような目眩と、危うく甘い熱に囚われたら、もう何もできない。
ただこの先に待つ快楽に身を委ねるだけ。
「ぁっ、キリ……っ」
「紫……っ」
身体を重ね合わせて、二人の汗さえも一つに溶け合って。
何度も求め合って重なり合う。
「紫、好きだ……」
「っ、わたしも……っ」
カラダだけじゃなく、心も繋がることがこんなにも幸せだなんて思ってなかった。
意識が飛びそうになりながら、お兄ちゃんは今頃どうしてるだろう?好きな人ができたって言ったらなんて言うかな?って考えてしまうところが私らしい。
一夜限りで終わらせるはずだった。
あの夜を最後にお別れするつもりだった。
なのに初恋の続きにこんな幸せが待っていたなんて、あの時の私には想像もしていなかった。
「結婚したいってほんと?」
情事の後、腕枕してもらいながら、上目遣いでじっと見つめる。
「本当」
「なんで?」
「だって、結婚したら紫は一生俺のものじゃん」
「意外……そんな理由なんだ」
「悪い?」
「ううん、嬉しい」
不器用ながらに私のことを想ってくれていることが伝わってすごく嬉しい。
「私も同じ気持ちだよ」
今度こそ、好きな人と結婚したい。
それはあなたがいい。あなたじゃないとダメなんだ――。
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