嫉妬と独占欲

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嫉妬と独占欲

「いらっしゃいませ!三名様ですね、こちらのお席へどうぞ!」  あれから、ふじみやにいつも通りの日常が戻っていた。  今日もたくさんのお客様をお迎えし、美味しい定食を召し上がってもらい、満足して帰っていただく。 「ありがとうございました!」 「ごちそうさまでした」 「ありがとうございます!またお越しくださいませ!」  ごちそうさまでした、の一言がとても嬉しい。  ふじみやはこうでないと。  何もかも元通りになったけど、変わったことが一つだけある。 「紫」 「っ、いらっしゃいませ」  お兄ちゃんの親友で常連客だったこの人が、私の恋人になったこと。 「いや紫のこと迎えに来たんだけど」 「わかってますっ!もうちょっとで上がるから待っててっ」  今日はこの後キリさんとデートなのだ。  憧れだった彼氏とのデートがやっと実現するのかと思うと、ドキドキソワソワしてしまう。 「紫、本当にキリと付き合うんだな……」  お兄ちゃんには改めてキリさんとのお付き合いを報告した。 「親友と妹って複雑だけど、二人が幸せなら応援する。紫のこと泣かせるなよ!」って言ってくれたお兄ちゃんは、やっぱり世界一最高のお兄ちゃんだと思う。 「お兄ちゃん寂しいよ〜」 「結婚する前からそれで大丈夫か?お兄ちゃん」
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