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「なんか安心したよ。キリって今までちゃんと彼女とか作らなかったし、心配してたんだ」
「葵……」
「紫っていうのが複雑だけど、キリに心から好きって思える人ができたのは嬉しいよ」
お兄ちゃん……。
やっぱりお兄ちゃんって最高じゃない?素敵すぎない?もう大好き。
「やっぱりお兄ちゃんが一番だよ……!」
「おい!」
「あはは!ねぇ紫、もう上がっていいよ。キリのご機嫌取ってあげな」
「はーい」
本当にお兄ちゃんって優しい。
最後のお皿を片付けて、着替えてメイクも直す。普段あんまり巻かない髪もくるくるさせてみた。
このメイク、派手すぎないかな……?
キリさんの隣に並んで子どもっぽいって思われたら嫌だから、いつもより大人っぽくしてみたんだけど。
服も似合ってる?大丈夫?
初めてのデートだから正解がわからない。
「紫ー?まだ?」
「あ、お待たせしました」
悩みに悩んで、店員さんが似合うとおすすめしてくれた、お腹がギリギリ見えないくらいの丈のベアトップにタイトな黒いスカート、上からカーディガンを羽織るスタイルにしてみた。
「……。」
出てきた私を見て、キリさんは黙り込む。
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