嫉妬と独占欲

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 え、なんで黙るの!?やっぱり変?  似合ってないってこと!? 「何とか言ってくださいよ!」 「かわいい」 「っ!」 「かわいいけど……」  何だかモゴモゴして煮え切らない感じのキリさん。 「何でもない。早く行くぞ」 「え?あ、はい」  なーーんかキリさん、頬が少し赤いような気がするけど、気のせいだったりする……?  ちなみに今日のキリさんはベージュのセットアップでカチッとしすぎないカジュアルなスタイルだ。  脚の長さが強調されて、改めてスタイルの良さを実感する。さりげなく着こなしてるけど、服も靴も多分ハイブランドだ。 「乗って」 「お邪魔します」  何度か乗らせてもらってるこの車も、多分かなりの高級車。改めてキリさんって富裕層というか、私とは住む世界が違う人なんだなぁと思う。  この車に他の女の人乗せたことあるのかな……。  多分あるよね。だってキリさんモテるし。  ……あ、やだな。考えただけでモヤモヤしてきた。 「――で、どこ行く?」  話しかけられて、ハッとする。  せっかくの初デートなんだから、楽しまないと! 「あのね、行きたいところがあるんだけどいいかな?」 「いいよ」 「ほんと!?」 「かわいいな」 「えっ!?」 「はしゃいでる紫、かわいい。なんだかんだでデート楽しみにしてたんじゃん」 「それは……当たり前でしょっ」
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