嫉妬と独占欲

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 我ながらかわいくないなぁと思う。でも気になるんだもん。  それに改めて六条財閥のすごさを実感すると、いつもこうやって誰にでもサービスしてるのかなって……。 「〜〜っ、あーもう!めんどくさい!」 「急にどうした?」 「自分がめんどくさい女だなって自己嫌悪に陥りそうです」  自分でも知らなかったけど、私って案外嫉妬深いらしい。私だけが特別がいいなんて、ものすごく子どもっぽい。  今日も頑張って大人っぽく見せようとしたけど、中身が子どものままじゃ意味ないじゃん……。 「ふふっ」 「なんで笑うんですか?」 「いやだって、かわいすぎるから」 「どこがですか……」 「要するに嫉妬してくれてんだろ?嬉しい」 「これって喜ぶところなんですか?」 「嬉しいよ。俺ばっか好きだと思ってたから」  ……うう。この人はやっぱり、ずるいなぁ……。  いつも私ばっかりドキドキさせられてる。  自己嫌悪になってた自分を受け入れて包み込んでくれる。  そんなの、もっと好きになっちゃう。 「……好きですよ。独り占めしたいって思ってるくらいには」  子どもじみた独占欲を出してみてもいいのかな?って思っちゃう。 「……紫、マジで俺に拷問してる?」 「え?」 「いや、無自覚怖え」  いや何がですか??
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