91人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
店の奥は無法地帯だ。
本能剥き出しの男たちが、ひとに見られることもはばからずに行為に没頭している。
俺は見慣れた光景を眺めていると、大声を出している若い男を見つけた。
「嫌だ、離せ!!」
「そういうプレイが好きなのか?」
「違う!!」
初めて見る顔だった。
そして、可愛らしくて俺好み。
今夜の相手は彼にしよう。
横取りは趣味ではないが、致し方ない。
全ては俺の気まぐれだ。
「なぁ、嫌がってるだろ。」
「はぁ?お前に関係ないって…って、修二さん?」
「ん、久しぶり。」
揉めている相手は顔見知りだった。
正しくは、1度寝たことのある男。
「優馬、その子、譲ってくれないか?」
「修二さんが俺と遊んでくれるならいいですよ。」
「気が向いたらな。」
「またそんな事言って。ほんとにずるい人だ。」
すると、優馬は俺の腕を引っ張り、舌を絡めながらキスをした。
「んっ…今夜はこれで我慢します。」
「そういえば、入口の近くに優馬好みの子がいたぞ。」
「まじ?行ってみる。」
「ああ。いい夜を。」
「修二さんも。」
そして、優馬はその場を去った。
最初のコメントを投稿しよう!