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一日目
朝、起きると顔を洗う。休みの日以外はそうする。
歯を磨きながら鏡を見る。いつものこと。でもいつもと違うことがあった。
「血?なんで?」
ぼくの額に血がべっとりとついていた。
「うわっ!」
飛び上がった。いや誰だってびっくりする。ぼくはあわてて額に手をやると、手にはなんの感触もなかった。
「あれ?」
もういちど鏡をおそるおそるのぞくと、ぼくの額には血はついていなかった。勘違いだったのか?い、いやたしかにべっとりと血が…。
「まもるー、早くご飯食べちゃいなさい!遅刻するよー」
母の声にハッとした。われに返ったぼくはふたたび鏡を凝視した。ぼくの額にはなんの血も血の跡も、傷もなかった。ホッとして、ぼくは歯ブラシをしまった。
そこで目が覚めた。いやな夢だった。
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