4.決してこれは嫉妬じゃないけど

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「リリ?」  そんな私の表情を窺うようにそっと覗くメルヴィ。  けれど、私自身何がそんなに気に入らないのかがわからず、そんな彼からも顔を逸らしてしまう。 「……リリが着てくれるなら、いくらでも紺のドレスを贈るよ?」 「え」 「ううん、受け取ってくれるだけでもいい。俺の色のドレスがリリの物だって思うだけで嬉しいから」 「そんなこと」  ない、と思うのに、そう告げるメルヴィは溢れそうなほどの笑顔を私に向けていて、私の心を落ち着かなくさせた。   「着ないドレスとか、いりません」 「なら着てくれる?」 「着る場所とかないですよ」 「結婚式があると思うけど」 「結婚式!?」  突然の飛躍にギョッとする。 “確かに結婚して欲しいとは言われたけど!”  それはあくまでも魔法の力で言わされている訳であって。 “頷く訳にはいかない、変に頷いて今すぐ式なんて言われたら、魔法が解けた時怖すぎる……!!”   「け、結婚式なら白いドレスなんじゃないですかねぇっ!?」  うわ、間違えた、と思った。 “焦ったからって、結婚式の方を否定しなきゃだったのに!”
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