4.決してこれは嫉妬じゃないけど

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 とはいっても、全部屋コンプした訳じゃないので見る部屋は他にもある。  けれど、昨日一人で見ても楽しめなかったのでなかなか部屋の探検に向かう気になれず―― 「あ」  行き場を失っていた私の目に飛び込んで来たのは、廊下をモップで掃除しようとしている一人のメイドさんだった。 “モップ掛けって全身運動よね”  しかもこんなに長く果てしない廊下を一人で担当するなんて無謀すぎる!  それに王城のメイドさんたちは、突然現れた私にもちゃんと対応してくれていて恩返ししたい……というのは建前で。  “もし魔法でサクッと出来たら” 「魔法で仕事を手伝ったら感謝とかされちゃうんじゃない!?」  決して冷たくされている訳ではないがあくまでも淡々とした仕事としての顔。  それらが感謝で崩れるところが見てみたい――! 「笑う? それとも感動してくれる? お礼とか言われちゃうのかも!」  気になる、これは気になる……!  そう思った私は、突然駆け寄られ少し困惑する彼女の前に自信満々に立ち塞がって。 “メルヴィにあんなに強い魔法をかけられた今なら、きっと出来るわ!”   
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