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僕はガバっと飛び起きて周りを見渡す。
どう見ても、地球ではないことは確かだった。
空は血のように真っ赤で雲一つない、透き通る鮮やかさは無くただただどす黒い赤が空中に視認できた。
そして、周りにいる人ならざるものを一瞥する。
頭部には耳なのか角なのか分からない尖がった突起物があり、身体が細く、顔の半分が鼻なのか口なのか兎に角くちばしのように前方に尖がっていて、コウモリのような翼をばたつかせている奇妙な生物がそこら中に浮いてこちらを見ていた。
緑、赤、黄色様々な色があるようだ。
その他、異様な生物がうじゃうじゃいる。
「ここは、ドコ?」
?「やっと目覚めたか、魔王ルシファ。」
「あ、えっと。誰?」
?「ルシファだ。」
「・・・魔王?
アレ?でもさっき僕のことをルシファって・・・」
ルシファ「俺はもうじき役目を終え消えゆく身。これから先は次の時代のルシファ、お前が治めるのだ。」
「・・・・ちょっとよく分かんない。ルシファって生まれ変わっているの?
というか僕、どうしてここにいるの?」
ルシファ「お前が過去にどこで何をしていたのか、それは知らん。
知らんしどうでもいいこと、大事はこれからはお前が魔王ルシファとして魔界と魔族を守っていくこと。
そして、魔王ルシファとはそういうものだ。」
「はぁ・・・」
ルシファ「しかし今のお前にはその資格はない。」
「はい?」
ルシファ「稀に生まれると聞く、魔力を持たぬ魔王。まさか俺と同じ魔力無しが生まれるとは思わなかった。」
「魔力無い?」
ルシファ「無い、すっからかんどころではない。
ここの下界の人間どもが扱う低級魔法すら放てない、ゴミだ。」
「口悪い・・・」
ルシファ「しかし、対処法はある。」
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