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「・・・え?あるの!?」
ルシファ「この世に魔力を持たぬものなどいやしないのだ。」
「・・・あの、僕魔法が無い世界のことを知っているんですけど?」
ルシファ「それは幻想だ。」
幻想ではないと思うけど、言い返しにくいな。
普通に見た目からいかついもん。
円錐状の厳密には所々トゲトゲしてるけど、そんな殺傷能力ありまくりの角2本で委縮するでしょ?
顔から体まで全身真っ赤。黒い何かで武装してるけど節々にいかつい筋肉が露出している。ボディビルダーとかそんな次元じゃない。
後、普通に長身。
聞き返すのだけで精一杯です、はい。
ルシファ「不服そうだな?」
察しもよさそうです。
ルシファ「お前の言う世界についても同じことだ。魔力を使うにはコツがいる。そのコツを引き出せぬものは今のお前のように魔力を持たないゴミだと言われるのだ。」
「じゃあ魔力はあるってこと?」
ルシファ「俺から言わせてもらえばそうだ。だが、このまま下界に行っても魔力のないクズ扱いされるだけだろう。」
「ここと変わらない?」
ルシファ「いや、そうはならない。」
「?」
ルシファ「話を聞いていると、どうやらお前は魔法の発達していない異世界転移もしくは異世界転生してきたということになるがあっているか?」
「え?あ、あぁ。」
ルシファ「なら話は早い。俺が今から下界へお前を送ろう。」
「はい!?」
ルシファ「そこに住まう人間どもの力を借りて魔力を蓄える方法を模索し吸収するのだ。」
「ここではできない?」
ルシファ「ここは魔力が有り余っている者しか存在を許されていない、お前は今すぐ死ぬべき存在というわけだ。しかし、次のルシファとなると話は変わる。」
「・・・あの、下界で魔力たくわえたらどうするんですか?」
ルシファ「人間どもを侵略しろ。」
「え?」
ルシファ「魔王たる責務を果たすべきだと言っている。」
「ルシファさんはしてきたの?」
ルシファ「俺もお前もルシファだ、ルシファでよい。俺はやれていない。」
「何故?」
ルシファ「俺もお前と同じ、魔力を持たぬ者だったからだ。
お前に教えた通りのことを俺も教わりその通りやってきたが、ついには果たせなかった。前の代は果たしていたみたいだが・・・」
「何年?」
ルシファ「さぁな、1000年は経ってるんじゃないか?お前も元人間なら大体の年月くらい分かるだろう、おおよそそれくらいだ。」
「・・・僕もできないんじゃ?」
ルシファ「それは分からん。過去の記録に魔力の持たぬ魔王が人類を征服したことはあるらしい。遠い昔、もはや化石となった遥か過去のものだが・・・」
「はぁ・・・」
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