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ルシファ「話を戻そう。
兎に角、いずれにしてもここに来ても魔力を手に入れることはできない。
今すぐにでも人間たちのいる下界へ行ってもらう。」
「はぁ。」
ルシファ「そこで、異世界転生した勇者として魔力覚醒に臨むのだ。」
「どうやって?」
ルシファ「俺にとって下界に住む下等種族どもの記憶の改ざんなど簡単にできる。
お前を魔王討伐の勇者という記憶を注いでくれよう!」
「そんなことができるのに征服できなかったの!?」
ルシファ「煩い!応用が効かんのだ。
この記憶改ざんは術者に有利なことはできなかった。誰かに有利な記憶の改ざんが限界だった。」
「あ、はい。でも他にもいろいろ方法が?」
ルシファ「略奪殺戮を言っているのか?」
「あ、いやそこまでは・・・」
ルシファ「ハハハ、まぁそういうルシファは俺には向いていなかったということになるか?」
「・・・」
ルシファ「昔こういうルシファがいたことがあるそうだ、人間と仲良く過ごした魔王ルシファってな?
その昔こういうルシファがいた、殺戮をこよなく愛し人類を滅亡に追いやった。
魔王ルシファというのはそういうもの。お前がどういうルシファになるのかは分からないが、俺は人間を支配しきれなかった方のルシファとなるかな。
ルシファとしては悲しいのかどうなのか正直分からないが・・・
さて、質問は終わりだ。
そろそろ下界に行ってもらう。」
「はい。」
ルシファ「そこで魔力に目覚め、吸収し魔王ルシファとしてその二度目の命を全うしろ!俺はここまでだ・・・
さらば、魔王・ルシファ!」
シュインッ
気持ちのいい音がして、目の前が真っ暗になり僕は気を失った。
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