9人が本棚に入れています
本棚に追加
?「お主の名を聞いている、名は何というんだ?」
「あ、えっとトモです。」
?「トモ、変わった名前だな。上の空だったようだがどうした?」
「あ、いえ。ちょっと考え事を・・・」
?「ふむ、その様子だと最初から説明せねばなるまいな。
吾輩はこのクリエル王国国王、クリスタだ。
お主は我々がこの召喚魔法陣で召喚した魔王討伐の派遣勇者だ。」
・・・派遣勇者?
ちょっとよく分からないけど、ルシファの言っていた通りになっている。
僕はどうやら魔王らしいけど、見た目もあっちの世界で一度も見たことないけど多分あのルシファと似た容姿してたんだろうな~
でも、こっちではそれも変わったってところだろうか?
で、勇者として魔力を蓄えろっていうわけだ。
王様、王様ね。
随分若い王様だ、推定年齢20歳。
爽やかな笑顔で僕に話しかけてきた。
見た目と話し方に違和感があるが、まぁそれは置いといて・・・
クリスタ「さて、来て早々悪いがお主には魔力測定をしてもらう。」
「あの、魔法使ったことないし、多分ない・・・」
クリスタ「そんな馬鹿なことがあるか?魔力が無いなんてことはないはずだ。
ほれ、目の前の水晶に手をかざすと良い。」
いつの間にか用意されていた、水晶。
中は色とりどりで渦巻いているようだった。
僕は意を決して手をかざす。
すると、水晶は真っ黒に染まった。
クリスタ「な、魔力が無い・・・だと!?
無属性というのか?」
さっきまで穏やかだった王様は今阿修羅のように怒り狂った表情をしていた。
「あの、だからさっき・・・」
クリスタ「お主は勇者ではないというのか?」
「・・・コレで召喚されたのなら勇者なんじゃ?」
クリスタ「ではなぜ魔力が無い?魔力が無ければ魔王とは戦えぬぞ?
早々に手を打たなくては・・・
確か古い文献に魔力覚醒の記述があったな?
ヘルカ、ヘルカはいるか?」
ヘルカ「お兄様お呼びですか?」
クリスタ「人前では王として振る舞えっていってるだろ?」
ヘルカ「これでも妥協しているんです。」
クリスタ「まぁいい。えっと、勇者トモ。
コチラは妹のヘルカ、魔力の研究をしているのだ。お主の魔力覚醒の力になってくれるだろう?」
ヘルカと呼ばれた女性は、幼さとあどけなさが残る顔は幼女そのものだった。
まぁそれ以外は多分10代後半から20代前半くらいに思える。
ヘルカ「勇者トモ、ヨロシク。」
あ、結構砕けた感じなのね・・・
クリスタ「では後は頼む。」
ヘルカ「かしこまりましたお兄様♪」
クリスタ「だから名前で呼べって!」
ヘルカ「はいはい~
あぁ、えっとトモ君で良い?」
「あ、はい。」
ヘルカ「案内するわ、着いてきて!」
最初のコメントを投稿しよう!