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「赤ちゃんですかぁ・・・」
ヘルカ「試しに頭の中で火の玉を想像しながらファイアボールと唱えてみて?」
「”ファイヤボール”」
ボォオオ・・・シュゥウウウ
一瞬赤く燃えたと思ったら一瞬で真っ黒い煙に包まれて消えた。
ヘルカ「・・・まともに魔法も使えないのね。」
「・・・」
ヘルカ「しょうがないわ、そうは言ってもトモ君が勇者なのは違いないだろうから、鍛えないとね?」
「あ、はい。」
まぁ、僕はどうやら魔王ルシファらしいんですけどねw
ヘルカ「望み薄だけど、今度はこの魔法陣を自分の血を使って描いてみて?」
「血!?」
ヘルカ「あ、大丈夫自分で傷つける必要も採血する必要もないわ。
”ブラッディ・キュール”」
片手を僕に向けながらそう唱える。もう片方の手には便が握られており、たちまち真っ赤な液体でたっぷりになる。
「・・・もしかして?」
ヘルカ「君の血」
「うっそ・・・」
ヘルカ「・・・は、ほんの一滴。
残りはその一滴から分析した複製させたもの。」
「あ、はぁ。」
ヘルカ「人によるけれど、魔法陣を描き切るほどの血液は必ずっていうほど貧血を起こすからね。死に至るリスクすらあるケースもある。
だからこうしているの。
・・・
ほら、これをつかって描いてみて?」
古い本、ところどころ破れているが絵柄は幸い綺麗な状態だった。
赤い液体に指を突っ込んで、床に描く。
血なまぐさい鉄のにおいが充満する。
し、血って乾くとカピカピになるんだよね早く描かなきゃ!
いうほど複雑ではない魔法陣はすぐに描けた。
ヘルカ「後は、両手をかざしながら”イン・ウィズ”と唱えてみて?」
さっき一瞬しか使えなかったのに、また魔法?
僕は首をかしげながら、言った通りにした。
「”イン・ウィズ”」
すると、描かれた魔法陣が液状の球体に変わり僕の手の中に入り込んだ。
「・・・えっとどういうこと?」
ヘルカ「・・・0.1秒。異常ね貴方。」
「へ?」
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