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「次に、そちらの逞しい方」
「俺はポセイドンだ」
「貴方の槍捌きは素晴らしい! 実に豪胆だ。ですが、貴方の槍の腕に追いつくような槍ではない。素晴らしい槍ではあるのですが、岩を貫き通すまでの業物ではない。この槍をお使い下さい」
キュクロプスは自らが打ち出した三叉槍をポセイドンに差し出した。
「この槍、三叉槍は万物を貫き通す唯一無二の槍です」
それを聞いてゼウスは軽く笑った。
「ははは、私の娘の持っている盾は決して貫き通せない盾。いつかは勝負をしてみたいものだな」
その盾こそゼウスの体の中で生まれたアテナの持ちし、イージスの盾である。
「さて、最後にですが…… この武器はこれ一つで戦局を変える武器。カムペーに真っ先に斬りかかった比類なき勇気を持つ貴方こそが使うに相応しい。この武器の説明の前に我々の自己紹介を」
三人のキュクロプスは改めて並び立った。
「私の名前はプロンテース、雷鳴と言う意味です。雷の音そのものです」
「私の名前はステロペース、稲妻と言う意味です。雷そのものです」
「私の名前はアルゲース、閃光と言う意味です。雷が放つ光そのものです」
「「「そして、我ら三人合わせて、雷霆。その力はこの地を薙ぎ払い焼き払う絶対的な力。この力を貴方に差し上げましょう」」」
キュクロプスは手に持った雷霆をゼウスに差し出した。ゼウスはこの戦いを終わらせるという熱い決意を胸に雷霆を力強く握りしめた。
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