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三組の三兄弟は深い地の底より地上へと這い上がった。その先には地母神ガイアがヘリオスの太陽を後光に背負って彼らの帰りを待っているのであった。
「お前たち!」
ヘカトンケイルとキュクロプス達は母の元へと走る。ガイアは六人の子らを優しく抱きしめる。六人の子らは抱きしめられた瞬間に子供のようにわんわんと泣き出した。
「怖かったよぉ! 暗いところに閉じ込められて怖かったよぉ!」
「そうかいそうかい、怖い思いさせてごめんねぇ」
「毎日毎日いつ食べられるんじゃないかって……」
「もう、怖いのはないないしたからねぇ…… 安心するんだよ」
キュクロプスに関してだが…… 遠い未来に自分を脅かす「怖い者」はゼウスの子になるとは今はまだ夢にも思わないだろう。
生まれながらにクレタ島にてガイアやニンフ達を母にして育ったゼウスは再会を喜び合う巨人達を見ても無感動であった。生まれながらにクロノスの腹中に下っていたポセイドンとハデスは境遇が似ていたことから貰い泣きをし、目から一条の涙を流す。考えることは母、レアのことであった。
「そう言えばゼウス」と、ポセイドン。
「どうした?」
「母さんはどうしたんだ? 戦争が始まってから姿を見ていないんだが」
「ああ、女神たちは疎開させてるよ。クレタ島だったりキュプロス島だったり…… そうそう、うちの娘がな……」
「どの娘だよ。お前の娘は数が多くて把握しきれないぞ」
「ああ、ホーラの三姉妹だよ」
「お前があっさり捨てたテミス叔母さんとの間に生まれた娘達か」
「そんな言い方するなよ。その娘達がな…… 女神を見つけたんだよ」
「女神? ティターンの奴らか?」
「ああ、ウラノス爺さんから生まれた女神だそうだ。裸で歩いてるのを見て思わず服を着せたらしい。戦争が終わったらオリュンポスに迎えようかと思う」
「おいおい、どんな年上の婆さんみたいな女神だ? グライアイとかモイラみたいな感じか?」
「ここは連れてきてのお楽しみだ。その女神は原初の神を子にしているそうだ」
こんな話をしているうちに六人の巨人達がゼウス達の元に戻ってきた。
「行きましょう。戦場へ」
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