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さて、異形の三姉妹(一人除く)が続いたことでケトとポルキュスは子を作ることにこの上ない恐怖を覚えていた。しかし、メデューサのみが美人だったことで二人の間に希望が生まれ、再び子を成した。
そして生まれたのは悪名高い怪物達の母、エキドナだった。ケトからエキドナの体が出た瞬間、美人で真白い翼が生えていたことで二人は喜んだ、だが、エキドナの体を引きずり出してみればケトの体にどのように収まっていたのかもわからないぐらいに長い蛇の下半身がズルズルと……
また恐ろしい子を生んでしまったとケトとポルキュスは恐怖に打ち震えた。
この二組の三姉妹とエキドナはティターン神族に怖れられた。それを分かっていた彼女達は世界の西の果ての果てへと居を構えることにした。
ただ、メデューサだけは「君だけはここにいてほしい」と両親や他の神々からも引き止められたのだが、姉たちを放ってはおけないとして一緒に世界の西の果てへと行くのであった。
メデューサは何と優しい女性だろうか。この女性に危害を加えるものがいるとしたら「悪魔」や「魔女」と呼ぶに相応しいだろう。
「魔女」が切欠を作り「悪魔」に殺され「魔女」が纏う鎧の素材にされるなどと言う不条理な話なぞ存在しないことを心から祈りたい。
さて、ガイアであるが二組の三姉妹とエキドナにキュクロプスやヘカトンケイルと同じシンパシーを感じ、共に世界の西の果てに行き居を構えることにした。ウラノスもそれに一緒について行き、仲の良い夫婦生活を送っている。
ガイアは最後にクロノスに会い、「自分の子供に気をつけろ」とだけ言い残した。クロノスにとってその言葉は引っかかるものであり、子達までもがその呪縛に取り憑かれるのであった。
その間にもティターン十二神達も男女それぞれで夫婦となって、様々な神々を生み出していた。クロノスは姉のレアと結ばれた。オケアノスはテテュスと結ばれ、世界中を流れる川の神をいくつも生み出した。コイオスはポイベと結ばれ後にアポロン、アルテミスの偉大なる輝ける二柱の神の母であるレトと、その姉アステリアを生み出した。ハイペリオンはテイアと結ばれヘリオス(太陽)エオス(曙、明星)セレネ(月)の三柱を生み出した。
クレイオスはガイアとポントスとの間の娘エウリュビアと結ばれ、アストライオス(星空)を生み出してセレネと交わりゼピュロスなどの風の神を生み出した。
こうして、神々が交わることで無秩序だった世界に様々な概念が生まれ調和を保つようになってきたのである。
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