8月13日

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8月13日

8月13日  今日、模試の結果が家に届いた。  部屋で勉強をしていると、模試の結果用紙をにぎりしめたお母さんが、すごい勢いで部屋に入ってきた。きげんがとても悪い時の顔をしていた。  とつぜん入ってきたお母さんは、体をふるわせながら高い悲鳴を上げ、ぼくに近づくと、ぼくをかみの毛をつかんで、「なんでなの」と、何回もいいながら、ぼくをぶんぶんとふり回した。ぼくは痛くて痛くて、なみだがでてきた。だけど、何を言ってもお母さんは、やめてくれないのは分かっていたから、されるがままにたえていた。  ようやくとまると、今度は、「青斗(あおと)は、やればできるんだからがんばりなさい」といって、ぼくをぎゅっとだきしめた。  そして、「このままだと、お父さんを見返せないから」といつものお決まりのことを言った。  お母さんはぼくに、勉強をがんばって、いい大学に入りなさいとよく言ってくる。  ぼくは優しいお父さんが大好きだった。休みの日はキャッチボールやテレビゲームをいっしょにしてくれた。勉強も教えてくれた。ぼくはお父さんのようになれるように、勉強をがんばっていた。だけど、ぼくが四年生になったとき、お父さんがとつぜんいなくなった。  お母さんになんでいなくなったのか聞いても、教えてくれなかった。  そして、お父さんがいなくなってから、お母さんがぼくに今まで以上に勉強をやるように、言ってくるようになった。 「わかったら、今以上にがんばりなさい」と、お母さんは言い残して、ぼくの部屋から出て行った。  むかしはお母さんにおこられると、お父さんがよくなぐさめてくれた。だけど、もうお父さんは家にいないから、だれにもつらい気持ちを伝えることができない。  ねえ、お父さん。お父さんは今どこにいるの? なんで、ぼくをおいてどこかにいってしまったの?
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