Count,03 焦燥と心構え

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例えば、あの日のパーティーでカップル成立していたのなら、前向きな進展は考えられない事をきちんと告げるべきなのだろう。 それが正解なのかはわからないけれど、誠実な姿勢を見せる方がいいだろうし、菜摘と先週電話をした時に彼女もそう言っていたから……。 ただ、私と高田さんはカップル成立した訳じゃないから、わざわざそんな事を言うのもどうかと思えて、結局送られて来るメールに返事をしていた。 彼はメールでも好意的で、三週間前と変わらず嫌な印象はない。 それでも面倒だと感じてしまう以上、この先の付き合いを考えるのは難しい。 だったら、いっその事一度も会わないままの方がいいんじゃないかと思って、お誘いメールはのらりくらりとかわしているのだ。 勘が良さそうな高田さんなら薄々その事には気付いていてもいいはずだけれど、毎日欠かさず送られて来るメールからはその真意は読み取れない。 嫌な男性だったらピシャリとフェードアウト出来るのに、メールまで丁寧な高田さんにはさすがにそんな真似は出来なくて……。おかげで、最近は以前にも増してため息の数が増え、そろそろ眉間の皺が癖になってしまいそうだった――。
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