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「……私なんかでいいの？」
「うん、僕は結木さんがいい」
フワリと笑う榛名さんがきっぱりと言い放った時、ずっと後悔と責任に苛まれていた心の中の小さな私がようやく笑みを零したような気がした。
「本当に……？」
「うん」
まだこの状況を信じられずに戸惑う私の不安を、榛名さんはあっさりと拭い取る。
「大体さ、こんなに気が合う僕達が付き合わないなんて、おかしいと思わない？」
次第に痺れを切らし始めたのか、彼がおどけたように笑った。
「僕は結木さん以上に気が合う女性に出会えそうにないし、結木さんだって僕くらい気が合う男と出会えないと思うよ」
一見すると冗談めかしているような表情の中、真っ直ぐな瞳だけは至って真剣だった。
榛名さんは、こんなに強引な人だっただろうか。
「という訳で、僕達いい加減に付き合ってもいいと思わない？」
焦れたような顔は、私を逃がさないとでも言わんばかりの必死さが垣間見えて、その実直な想いに胸の奥が高鳴った。
そんな私に残された答えは、たった一つ。
「うん、いいと思う……」
精一杯の笑みで頷けば、榛名さんがとても嬉しそうに破顔した。
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