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急患・れい
「千歌…千歌!すまん、起きれるか?」
「ふぁい?何時?」
「4時だ」
「へ?ごめんなさいっ。巡回2回もとばしてる」
「問題ない。気持ちよく寝れたようでなによりだ」
「こころのプラグは?」
「抜き済み。それより急患だ」
「急患!?こんな時間に?」
千歌は衣服を整え起き上がった。
「現在、前立腺肥大で外来通院中の子なんだが…続きは救急外来行きながら話すぞ」
「はいっ」
2人は小走りで少年棟を抜け、救急外来へと向かった
「れいと言う子で異物混入をして抜けなくなったらしい」
「は?」
「だからっ異物混入だ。どっちに突っ込んだかは分からんが」
「えー…なんでそんなことに」
・
・
「あーーっっ痛いーっ」
ストレッチャーに乗せられ病衣に着替えさせられた茶髪の少年が、苦しんでいた
「ね、ちょ…君っ落ち着いて」
「すみません少年治療棟の佐渡です」
「あ!待ってましたよ、どうやら友人とふざけていておしりに挿れてしまったらしく…」
「何これ…上の方が窪んだ細丸いなんかが映ってる」
救急医が指差すレントゲンの画像を見て、千歌がつぶやいた。
「分かりました。後はこちらで引き継ぎます。れいっ、分かるか?」
「佐渡先生ーっ、助けて〜!」
「何を突っ込んだ?」
「こけし」
「あっははっこけし!!よく挿れたな」
「笑いごとじゃないよ〜取って」
「分かった分かった。少年棟までちょっと我慢な」
「嘘!ここで取れないの〜」
「あ〜…ここじゃなぁ。少年棟行くぞ」
「え?入院?マジ?」
「思わぬ入院だろうが…この際だ。前立腺肥大の治療もしていけ」
「いーやーっ」
佐渡と千歌はストレッチャーを押し、少年棟へと引き返していった。
「みんな寝てるから静かにしてよ?君」
「おにーさん誰?」
「千歌。看護師だよ?ふざけてこけしを挿れるとかどういう状況?そのお友達は本当に友達なの?」
「そ…それはちょっと…なんとも言えない」
「いじめ?」
「分かんない…」
「もうっしっかりしてよ!」
「千歌?お説教は後にしてやれ」
「だってなんかムカつく」
千歌はぶつぶつ文句を垂らしながら歩いていった
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