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紫藤すねる
翌朝、佐渡はやや疲れた顔をし日勤帯へ引き継ぎをしていた
「おつかれさまです」
夕べの騒ぎを知らない佐久間はにこやかな笑みを浮かべ挨拶した
「夕べ、入った子…裂傷があるから出血量によっちゃ縫合が必要かもしれん。また見てやってくれ」
「分かりました。ハードだった感じ?先生、疲れた顔してんね?」
「急患がくるとバタつくからな…夜中にハードな処置して疲れた。じゃ、お先〜」
佐渡は欠伸をしながら、医局から出ていき退勤した。
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入れ替わりで出勤してきた紫藤は目頭を吊り上げ感情をあらわにしながら医局へ入室した。
「もうっ来たなら来たと一言言えばいいものを!」
「まあまあ、すねないでくださいって」
「相馬っ!すねてなど私はいないっ」
「どうしたの?紫藤先輩」
佐久間は普段と違う人間味のある様子の紫藤に親しみを感じ、紫藤の顔をのぞきこみ尋ねた
「なにもありません」
「いやいや、なんかうたくん?おとのお兄さんが面会に来たのに挨拶していかなかったとかでおかんむりらしいですよ、佐久間先生」
「へぇ。かわいいとこあるんすね?紫藤先輩」
ニヤっと笑い佐久間は紫藤の肩を叩いた
「佐久間っこの私を叩きましたねっ」
「いや効き腕は遠慮しましたよ?コミュニケーションコミュニケーション!あんまり怖い顔をしてると眉間に皺寄りますよ?」
「不細工だと言いたいわけですか?」
「いやいや紫藤先輩はいつだって綺麗ですって。すごまないでくださいよ。そんな顔でゆきに注射行ったらまた暴れますって」
「今日は眼鏡のスペアを持ってきているのでぬかりありませんっ」
「コンタクトにすればいいじゃないですか?」
「あんなモノを私に入れようと!?私に入っていいモノは限られているので遠慮します」
「さりげなくエッチなこと言ってません?」
「うるさい」
「今日はちゃんとアフターまでしてやってくださいよ?急患まで入院してちょっとまたみんな不安定になるだろうし」
「分かったっ」
紫藤は鼻息荒く医局から退室した
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「ゆき…時間大丈夫なの?」
こころは壁時計を見てゆきを心配しゆきのベッドの端に座った
「だいじょばない…」
「チュする?」
「うん…したい」
こころは顔を傾けゆきの唇に唇を合わせ、ゆきはこころを抱きしめた
「…ん、チュ…」
そっとこころは体を離した
「あの…一緒に行く?」
「え…でも」
「行こ?遅刻したら怒られちゃう」
こころはゆきにベッドから降りるよう促し、ゆきは緊張しながらベッドから降りた
その手をこころは優しく握って引っ張った
ゆきははにかむように笑い2人仲良く処置2へと続く道を歩いていった
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