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寝ぼけていた俺は、枕元の仕事用スマホの時間を見る。
「……まだ八時じゃねぇか。つまんねーことで電話してくんなよなぁ」
低血圧なので起きてすぐは頭が回らない。
「つまんなくないよ! あのリウ・ウェイロンだよ! 英語学習で同じ授業だったの! 凄くない!?」
樹里の甲高い声がノイズのようだ。
「ふぁっ……」
俺は欠伸をしながら、「おぅ……もう運命じゃね?」と適当に返事をしていた。
俺なら憧れの芸能人と同じ学校に通うなんてしないけどな。知りたくないことまで知ってしまいそうじゃん。
この時は呑気にそんなことを思っていたのだが、樹里とリウ・ウェイロンの関係は、想定外に進展していたのだった。
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