episode1 妹の彼

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 寝ぼけていた俺は、枕元の仕事用スマホの時間を見る。 「……まだ八時じゃねぇか。つまんねーことで電話してくんなよなぁ」  低血圧なので起きてすぐは頭が回らない。 「つまんなくないよ! あのリウ・ウェイロンだよ! 英語学習で同じ授業だったの! 凄くない!?」  樹里の甲高い声がノイズのようだ。 「ふぁっ……」  俺は欠伸をしながら、「おぅ……もう運命じゃね?」と適当に返事をしていた。  俺なら憧れの芸能人と同じ学校に通うなんてしないけどな。知りたくないことまで知ってしまいそうじゃん。  この時は呑気にそんなことを思っていたのだが、樹里とリウ・ウェイロンの関係は、想定外に進展していたのだった。
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