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【リウ・ウェイロンと2ショット(⋈◍>◡<◍)。✧♡】
「……は? 合成だろ」
樹里から送られてきた写メを眺め、独り言を漏らしていると、柚子が近寄ってきた。
「秋山さん、何、しかめっ面してるんですかぁ?」
今日は遅れず出勤してきた柚子の身体から、微かに揚げポテトの匂いがする。
こいつ、またマック寄って来たな。
「なんもねーよ。チャット中におならするなよ」
「そんなこと女の子に言うなんて信じらんない! ……あ、何、その写真! リウ・ウェイロンじゃないですか?!」
さりげなく隠したつもりが、樹里とのLINEを見られてしまう。
「えー、凄い! この人、リウ・ウェイロンと知り合いなんですか?! それともコラ?」
「妹だよ。この中国人と同じ大学で友達になったって自慢してきた。俺も合成じゃないかと目を凝らしてたんだけどさ」
リウ・ウェイロンと思われる男が、樹里の肩を抱いてピースサインをしている。他の学生も一緒に写っているが、二人の間に親密さをうかがえて心穏やかではいられない。
「コラにしては自然ですよね。……そっか、リウ・ウェイロンもこんな写真撮るんですねぇ。CMとかドラマのせいか近寄りがたいイメージあったのに」
柚子は妙に納得した表情で頷く。
「柚子もこの中国人モデル、好きなの?」
「インスタのフォロワー数二億人もいる大スターですから、何かと目に入ってきますけど」
「二億?! 桁間違ってね?」
あ。でも中国の人口って十億くらいだからあり得なくもないか。にしても、二億人も暇人がいるんだな。中国すげー。
不意に、柚子が顔を近付けてきた。
「わたし、こういう中性的な人はタイプじゃないんですよねぇ。どっちかというと秋山さんみたいに胸板厚い方が好みです」
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