episode 3 お兄ちゃん

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「まぁ、稼いでるんだろうから。遠慮なくゴチになるとするか」  お兄ちゃんがジョッキを掲げ、それにウェイロンが合わせて、乾杯をしていた。  ″ゴチになる ″ なんて日本語、リウ・ウェイロンがわかるわけないじゃん。いや、わかってるのかな。だから笑ってるのか。 「つーか、なに、こいつ、もう酔っ払ってんの?」  隣でボケーっとしている私を見て、お兄ちゃんが呆れたように語尾を上げた。 「梅酒とサラダ摘まんだだけで酔えるんだから、樹里は安上がり」  リウ・ウェイロンの声が、凄く遠くから聞こえてるみたいだった。 「ほら、料理来たぞ。食ってから寝ろよ」 「うん……」  お兄ちゃんに肩を揺らされて、オードブルに箸をつけるも、眠気で手が止まってしまう。  なんで、こんなに眠たいんだっけ。  あぁ、そうだ。  昨夜、徹夜でレポート仕上げたんだ……。 「樹里、肉、焼けてるよ」
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