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「まぁ、稼いでるんだろうから。遠慮なくゴチになるとするか」
お兄ちゃんがジョッキを掲げ、それにウェイロンが合わせて、乾杯をしていた。
″ゴチになる ″ なんて日本語、リウ・ウェイロンがわかるわけないじゃん。いや、わかってるのかな。だから笑ってるのか。
「つーか、なに、こいつ、もう酔っ払ってんの?」
隣でボケーっとしている私を見て、お兄ちゃんが呆れたように語尾を上げた。
「梅酒とサラダ摘まんだだけで酔えるんだから、樹里は安上がり」
リウ・ウェイロンの声が、凄く遠くから聞こえてるみたいだった。
「ほら、料理来たぞ。食ってから寝ろよ」
「うん……」
お兄ちゃんに肩を揺らされて、オードブルに箸をつけるも、眠気で手が止まってしまう。
なんで、こんなに眠たいんだっけ。
あぁ、そうだ。
昨夜、徹夜でレポート仕上げたんだ……。
「樹里、肉、焼けてるよ」
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