自分の気持ちの伝え方 side 結都

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「永瀬くんはさ、放課後なにしてんの?」 「えっ?」 「俺は見てくれの通り遊んでばっかなんだけどさ。そういえば永瀬くんのことあんまり知らないなって思って」 「あぁ、そういう……」 屋上と、屋上までの階段を繋いでるドアから真反対のところが、俺たちがいつも話している場所。 俺は場所とか特に気にしてなかったんだけど、永瀬くんが眺めが綺麗なんだって教えてくれた。 確かに学校一の桜の木が見えるし、グラウンドのおかげで他の場所よりも開けて見えて。 入り口の裏側だから気づかなかったけど、今では俺もお気に入りの場所になってる。 教えてくれた永瀬くんに感謝だな。 「……勉強とか?」 「びっくりするぐらいイメージ通りだな。遊んだりしねーの?」 「騒がしい所とか人混みとか苦手で……」 「あぁなるほどな。じゃあずっと家?」 「……そう、だね」 永瀬くんと話してると、ますます永瀬くんと俺は真反対の性格してるんだなって思う。 俺は勉強苦手なのに対して永瀬くんは成績いいみたいだし。 俺は友達とよく遊ぶからゲーセンとかカラオケとかよく行くんだけど、永瀬くんはそういう所苦手みたいだし。 マジでなんで俺のこと好きになってくれたんだろ。 「じゃあ今度のテスト前さ、勉強教えてよ!」 「へっ……?」 「俺数学とか壊滅的だからさ、良ければだけど……」 「あ、うん……いいよ」 「マジで!?助かる〜」 正直に言えば、俺の中にもまだ気まずさというか、申し訳なささというか、そんな感じのものは残ってる。 このまま俺と話してて、永瀬くんは内心傷ついてるんじゃないのかな、とか思ったりする。 でも、永瀬くんと話すのは想像以上に面白いし、永瀬くん悪い人じゃないし、一緒にいるのはめっちゃ楽しいんだよな。 きっかけこそ苦い思い出かもしんないけど、永瀬くんと友達になれて良かった。 「放課後永瀬くんの教室行くよ!何組だっけ?」 「いや、僕が青崎くんのところ行くよ。教科書とか持ってくるの大変だろうし」 「……あー、いい?ぶっちゃけ重いのヤダなって思ってた」 「うん、大丈夫だよ」
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