ロネとネリー

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 小さな明かりがちらちら目の前を通るなかで、手がさしだされた。人間の女の子のかわいい手。 「大丈夫?」  って、その子は、びしょびしょのオオカミの手を握ってきた。 「うん。大丈夫」  ボクは本当に全くもって大丈夫だった。尻もちをついて腰に水を浸かっただけ。だけど、手がつかまれたことに驚いて、その先はどうしたらいいのか、どうしゃべったらいいのか、動いたらいいのかわからなくなった。 「本当に大丈夫?」 「うん」  と、ボクはうなずくのが精一杯。 「じゃあ、いっしょに来て」 「え、うん」  女の子はぐいっと、ボクの手を握ったまま歩きだした。
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