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ゆうりは八神主任に手招きされ、隣に座らされた。
何故だかゆうりは八神主任に気に入られている。
病棟でもいつも可愛い可愛いと連呼され、もはや子供扱いなのでは…と思うほどだ。
「ホラホラこれ飲みな!てかみんなー!花村来たよー!可愛い花村にかんぱーい!」
八神の声に、一斉にみんながグラスを掲げる。
そして園田を含めた1年目4人がゆうりの元へとグラスを合わせに来た。
「おつかれー」
ゆうりはニコニコしながら1年目の子たちと乾杯した後、遠慮がちにグラスをカチンと合わせた園田に「大丈夫だった?」とヒソヒソ言った。
「あ…ハイ。明後日、朝イチで返してもらえることになりました…」
「そっか。よかった。今回はどう考えても無理だからって郡司さんが預かってくれたけど、本当はダメだからね」
「すみません…」
「次から気を付けて。…飲み会だし、仕事の話は終わりね」
ゆうりが言うと、園田は「はい」と言って深々と頭を下げた。
すると、話を聞いていたのかそうでないのか分からない八神主任が、突然ゆうりの肩にガシッと腕を回してきた。
「偉くなったなぁ花村」
「なんですか…」
「園田聞いてよー。花村さぁ、新人の頃やーばかったんだからー」
「もうっ!八神主任やめてくださいよー…」
八神主任は可笑しそうに当時のことを話し始めた。
園田はゆうりの失態を聞かされ、苦笑いしている。
ゆうりも思い出したくない黒歴史を掘り返されて苦笑いするしかなかった。
でも、プリセプターがポンコツだったら少しは心が楽になるだろうか。
自分は真逆の状況だったから、園田が羨ましいとさえ思ってしまう。
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