1.お世話係

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ゆうりがポカンとしている間に、八神主任は他のスタッフとゲラゲラ笑いながら外へ行ってしまった。 また朝までコースなんだろうな、と余計なことを考えていると、郡司が「んー…」と聞いたこともない可愛らしい声で何やら言っていて、ゆうりはハッとなった。 とりあえず、郡司をどうやって帰すか考えなくては。 その前に、お水を…。 ゆうりはペットボトルの蓋を開けて郡司の口元に持っていった。 「郡司さん、お水です」 郡司はのそのそと起き上がるとゆうりからペットボトルを受け取り、水を口に含んだ。 そして「ありがと…」とゆうりにペットボトルを返すと、今度はゆうりの肩に頭を乗せた。 「ちょっと…郡司さん!帰りますよっ!」 「帰るよぉ…」 大して飲んでないはずなのにしゃがれた猫撫で声で返事した郡司は、しかめっ面をした後ゆっくりと目を開けた。 「帰りますよ」 「…花村?」 「そうです、花村です。…二次会行きませんよね?帰りますよ」 「…ハイ」 自分も頭が痛いけど、もっと色々とヤバそうな郡司を目にしたらそんなのどこかへ行ってしまった。 普段では考えられない、無防備な赤ちゃんみたいな郡司を見てしまったら何故か冷静になってしまった。 「立てますか?」 「ん…」 フラフラしている郡司を支え、靴を履かせてなんとか外に出る。 ゆうりにもたれかかっている郡司は、想像以上に小柄で華奢だ。 仕事中は大きく見えるけど、本当は小さいんだな。
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