2.酔っ払いの戯言?

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2.酔っ払いの戯言?

「えぇ?!建て替え?!」 「本当にごめんなさい。連絡行ってると思っていて…」 梅雨入りが宣言された6月上旬。 急に総務課に呼び出されたと思ったら、寮を建て替えるから一時的にどこかに引っ越してほしいと言われたのだ。 今のオンボロ寮は老朽化のため取り壊しになり、別の土地に新しく建てるのだそう。 3月頃にお知らせが行っているはずと言われたが、何をどう考えてもそんな記憶は一切なかった。 資料すらももらっていない。 よくよく聞いてみたら、リストから名前が漏れていたらしく、今月になってそのことが発覚したらしい。 ひどすぎる話だ。 「え…来月からですよね?」 「はい…」 「間に合うかな…。いや…なんとかします…」 「本当にすみません」 総務課の女性に深々と頭を下げられる。 なんだか心苦しくなってしまい、ゆうりは「大丈夫です」と無理矢理笑った。 人だもの、誰だってミスはする。 休憩中だというのに、心休まらない。 ゆうりはトボトボと病棟へ帰って行くと、休憩室のドアを開けて大きくため息をついた。 休憩室には八神主任と郡司がいて、テレビを観ていた。 八神主任が休憩室にいるのは珍しい。 いつも軽く何かを食べてすぐに仕事に戻っているイメージだったから。 「総務課の用ってなんだったの?」 八神主任が歯を磨きながら言った。 「寮が建て替えになるらしいんですけど、わたしだけ連絡来てなかったみたいで…。今言われたんです」 「いつ?」 「それが来月からで…ホント最悪です…。無理ですよ…今から家探すの。今度明けで物件探しに行かなきゃ…」 ゆうりが言うと八神主任は「えー?!」と大きな声を上げた。
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