2.酔っ払いの戯言?

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「お金取っちゃいな。月額いくら?3万?」 「いや…。100万でしょ」 「やったね花村!タダだって!」 八神主任はガッツポーズをしてゆうりに目を向けた。 またふざけてるんだと思って、ゆうりは「助かりまーす」とガッツポーズを返した。 「え?」 「…え?」 「本気で言ってんの?」 感情のない目を向けられて、背筋がゾワッとする。 「里々佳…人助けだと思ってさぁ。てか一人暮らしなのにあんなだだっ広い2LDKの物件に住むとかどういう神経してんの」 「……」 この空気、どうしたらいいのだろう。 自分は月100万払って郡司の家に住まわせてもらわないといけないのだろうか…。 あの汚部屋の光景が蘇ってくる。 あそこに住めと言われたら…。 そもそも家賃以前の問題だ。 誰と一緒だろうがちょっと…いや、大分厳しい。 ちなみに、郡司はあの飲み会の後ゆうりが家まで送ったことやその他云々、一切覚えていないようで、後日涼しい顔をして出勤してきた。 もちろん、お礼など一言もなかった。 だからゆうりもあえて何も口にせず、普段通り郡司と接していた。 「冗談キツいわ八神さん」 郡司は「パワハラですか」と呟いてペットボトルのお茶をひと口飲んだ。 ーーーピリリリッ その時、郡司のPHSが音を立てた。 「ハイ。…分かった。もう戻る」 「休憩中は誰かに預けなさいってルールでしょ」 八神主任は休憩室から素早く出て行った背中に声を投げかけた。 「これだから困るよねー、あの子は」 「わたしも休憩中にリーダー代われるくらい成長できればいいんですけど…」 「向上心あるねー、いいねー」 八神主任はニヤニヤしながらゆうりを見つめた。
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