3.秘密

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夜勤の最初の報告は18時前。 ファーストラウンドで絶対に必要な患者さんのバイタルだけ取り、監察室にいる重症な患者さんのケアを重点的にする…それが、ゆうりのスタイルだ。 何が合っているのかは分からないが、新人の頃からそう教えられてきたからそうしている。 この日も17:45にはファーストラウンドから戻ってきて、ゆうりは認知症の80歳のおじいちゃん…10歳年下の奥さんラブの白濱さんと辻褄の合わない会話を繰り返していた。 「ほらぁ…この管。何だか分かる?怖いだろ?こんなん付いてたらさぁ…」 「命綱なんですよ、これ。白濱さん、今これ取れちゃったら、病気が治るのが遅くなって奥さんに会えるまでの時間が長くなっちゃいますよ」 「そうなの?!…やだなぁ」 「お身体良くなったらすぐ取れますから、それまで大事にしててもらえますか」 「うん。分かった」 ゆうりは「ありがとうございます」と笑顔を向けると、隣のベッドの患者さんのところに向かおうとした。 が、また白濱さんが「なんだろうね、これぇ」と言い始めたので白濱さんのベッドサイドに戻る。
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