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掃除が終わった後、いくつあるのか分からないゴミ袋をゴミ捨て場に持って行き、完全に片付けは終了した。
掃除も大変だったが、ゴミ捨ての往復もなかなかキツかった。
一体、なん往復したのだろうか…。
「ありがとね。助かった」
さすがに夜勤明けでずっと動いていたからか、郡司の目の下にはうっすらとクマができていた。
「いいえ。綺麗になってよかったです。これからキープできるように頑張りましょう」
ゆうりがガッツポーズすると、郡司は「うん」と少し微笑んだ。
「じゃあそろそろ帰りますね。…お疲れ様でした」
ペコリと挨拶し荷物を手に取った時、郡司は「まって」と言った。
「せっかくだから、ご飯食べようよ。奢るから」
「え、いいんですか?」
「うん。ここまで綺麗になったのも花村のおかげだし…お礼させて」
「ありがとうございます」
郡司はスマホを取り出すとアプリを見ながら「何食べたい?」と言ってきた。
スマホをチラッと覗き込んでゆうりは目を見張った。
出前アプリのポイントがものすごく貯まっているし、しかもプラチナ会員ではないか。
「ポイントすごい貯まってますけど…。ホント、自炊しないんですね」
「うるさい。見るとこそこじゃない」
ゆうりは「はーい」とクスクス笑った。
何を頼むか話しているうちに好きな食べ物の話になり、ゆうりが和食が好きだと言うと、郡司も和食が好きらしく、同じものが好きだと分かって少し親近感が湧いた。
が、結局注文したのはピザだった。
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