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5.ルームシェア
お昼休憩で昼食を5分で平らげた後、ゆうりはパソコンの前で記録しながら大欠伸をした。
あまりよく眠れなかったのだ。
6時に起きたゆうりは郡司を叩き起こして水を飲ませ、半寝状態の郡司に無理矢理見送りをさせた。
絶対に鍵を閉めてもらいたかったからだ。
あーとか、うーんとか言いながら、なんとか起きた郡司は玄関まで来て、ボサボサの頭としゃがれた声で「いってらっしゃい…」と言い、眠そうな表情でゆうりに手を振った。
ドアを閉めてすぐにガチャリと鍵が掛かったことを確認し、ゆうりはエレベーターに向かったのだった。
可愛いくて美人だけど、すごくズボラでどうしようもない人…。
男からしたらギャップ萌えって思うのかな。
いや、でも…。
現代の男はおそらく家庭的で清楚系が好みなんだろうな。
ま、趣味は人それぞれだけど。
郡司のことを好きになる人ってどんな人なのだろう…いや、そもそも彼氏いるのか?
ゆうりはそんなことを思いながら、記録を打ち込んだ。
仕事が終わったのは19時。
今日も帰ったら荷造りをしなければならない。
帰ってドアを開け、キッチンを右手に見て目の前のドアを開けるとすぐに広がる5畳の部屋。
部屋には段ボールが高々と積み上げられている。
もう、ほぼ仕上げな感じだ。
2年ちょっとお世話になったこの寮とも明後日でお別れだ。
フライパン1枚でできるクリームパスタをささっと作ったゆうりは、フライパンのままテーブルに運んだ。
それを頬張りながら、7月からのことを考える。
郡司さんと上手くやっていけるだろうか…。
勢いでこうなってしまったけど…やっぱり迷惑だったかな…。
不安しかないが、なるようにしかならない。
ゆうりは不透明なこの先についてネガティブな考えしか思いつかなかった。
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