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夜空が輝く刻
部屋の窓を開けて見ると、チラホラと雪がチラ付いていた。今年も、そんな季節が訪れていた冬の或る日‥‥‥。
大抵の人間は、『雪』と言えば冷たいイメージを抱くのかも知れない。それでも、このボクには、温かい思い出がある。
‥‥‥雪の日の思い出。
それは‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。。。
「‥‥‥あ〜ぁ。今日も又、あのラーメン屋に行かなきゃならないのかぁ。」
‥‥‥イヤだなぁ。
‥‥‥貧乏って、辛いナァ。。。
田舎の町を捨てて、東京の町の片隅で貧乏生活を余儀無くされていた頃。
その頃のボクは、東京にある高円寺の町の外れにある寂れたラーメン屋でしがないアルバイト生活を繰り返していた。
‥‥‥‥‥‥‥‥。。。
そもそも、最初から辛い想いを押し殺して、暮らしていた訳じゃ無かったのにネ。
あれは、そのラーメン屋で深夜の時間に作業をしていた頃。と或る年老いた男の人が、お客として来店し、一杯のラーメンを啜り、やがて、お店から出て行ったかと思うや否や、店の軒先で唐突に足取りが止まり、そのまま呆然と立ち尽くしてしまっていた。
ボクはふと、その男の人の様子が気に掛かり、作業の手を止めて、店の外へと出て行ってから、その男の人に話し掛けた。
「‥‥‥あのぉ〜。どうされました?」
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