第1章 仕組まれた再会

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※こちらのページでは刺激的な描写がございます。苦手な方は飛ばしてお読みください  私と武彦が2人きりで暮らし始めたのは、結婚式が終わってから。  というのも、武彦が帰国してから結婚式当日までは、父の「我が家の文化に慣れてもらわなくてはな」という一言で、私の実家に居候していたからだ。  終始、父と武彦はべったり。病院でも、余程のことがない限りは常に一緒にいたそうだ。  でも、誰も怪しい関係と疑わないのは、武彦は私の夫であり、父の後を継ぐ存在だということが周知されていたから。  私は、私が知らぬ間に彼らの関係を正当化させるためのピースとして使われていたのだと考えていた。  そんな武彦は私に対して、決して毒になるようなことはしなかった。  私の本質に深入りしてこようとはしない、表面的な穏やかなコミュニケーションばかりを武彦は私と積み重ねてきた。  それはそれで、感情を刺激する事がない、心穏やかな日々が繰り返されただけだったので、強い感心は持つ事ができなくても、嫌悪感が芽生えることはまず無かった。  だから、油断していたのだ。  笑顔の仮面に隠していた本性を、武彦が私に見せたのはまさに、結婚式が終わったばかりの初夜だった。  父に選んでもらい、父に頭金を出してもらったタワーマンションに、たった2人きりで帰ってきた瞬間、武彦は私の腕を急に掴んできたのだ。 「なっ、何……!?」  私が声を出した瞬間、武彦は私を床に転ばせ、そのまま私に馬乗りになってきた。  まだ、リビングにも入っていない、玄関前の廊下だ。 「武彦さん!?」  私が叫んでも、武彦は息を荒くしながらまず自分のネクタイを解いた。  かと思えば、私のブラウスを荒々しく掴み、そのまま破いたのだった。 「やめてください!」 「うるさい黙れ」  武彦は、私の口を自分の右手で押さえつける。  かろうじて鼻は抑えないでいてくれたからギリギリ呼吸はできるが、その分酒臭さが私に攻撃してきた。 「んっ!んー!!!」  私は足を蹴ってどうにか抵抗しようとしたが、武彦は自分の体を私の足の間に入れてきた。 「さて、お前はどう楽しませてくれるんだ?」 「っ!?」  武彦はそう言った瞬間、まだスカートを脱いでもいないのに、私の下着に手をかけて、そのまま引き下ろした。 「んー!!んー!!!」  やめて、やめてと叫びたいはずの声は、武彦の手のひらに吸い込まれていく。  そのまま、武彦の指が私の中に入ってきて、私の体に激痛が走る。  武彦はそのまま、私を力づくで蹂躙した。  これが私の処女喪失で、新婚初日の出来事。
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