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「おちきゅ見、おちきゅ見」
子ども達がピョンピョンピョンと楽しげにはしゃぎながら舌足らずな声で歌う。
「おちきゅ見、おちきゅ見」
はしゃいでしまうのも無理はない。
今日は、1年で最も賑やかな日。
十五夜なのだから。
今日は、たくさんのお餅をついてお団子を作り、たくさんのお客さんを招いてみんなでおちきゅ見をしながら楽しくお喋りして歌うのだ。
「おちきゅ見、おちきゅ見」
私も子どもたちにつられて歌ってしまう。
私もあの子たちくらいの時はおちきゅ見が楽しみで仕方なかったな。
ペッタン、ペッタン
お父さんとお兄ちゃんが一生懸命杵と臼を使ってお餅をついている。
私と妹達でつきあがったお餅に蓬やお芋、紅を入れて色を付けて丁寧に捏ねて団子にする。
綺麗なまんまるの団子は、見るだけで心を和やかに綻ばせる。
今年も良い出来だ。
お客様たちの喜ぶ顔を想像するだけで思わず顔がにやけてしまう。
「お団子だあ!」
「食べたーい!」
三方の上に綺麗な三角に積み上げられた色とりどりの団子を見て子どもたちは大はしゃぎと食べたいの大合唱。
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