11人が本棚に入れています
本棚に追加
やって来たのは一人のやや不恰好な青年。
リュックサックを背負って眼鏡かけてて少しずんぐりしていた。
(やあねえハンサムなら良かったのに)
カマンは心の中で思いながら冷静に対応した。
「ここはスイーツ城でよろしいですか?」
「はい、ここはスイーツ城です何か困り事ですか?」
キョドリながら青年が聞くとカマンは営業スタイルで答えた。
「あの僕、仕事を探しているんです。ハローワークを訪ねましたが人で埋め尽くされて長い事待たなければならないので仕方なくここに来ました。ここは仕事の案内もしてくれてるんですよね?」
「はい、人命救助、パーティー、悩み相談あとあと、ボランティア活動なんでもござれです♪」
真顔の青年とは正反対にカマンは笑顔だ。
(カマンいつもあんな笑顔なら良いのに…)
隊員は皆思った。
「先ずはお名前をどうぞ………ふむふむストレイさんね…」
青年(ストレイ)の字を見て汚ねえなあと思うカマンだがそれは心の中に閉まっておいた。
「あぁ僕は長い事ニートやってて、家族は初めは暖かく迎えてくれたんですよしかししかし、段々刺々しくなって来て「仕事探せ」「私がいなくなったらどうするの?」だの色々言われてたんです。そこまでは良かったんですが色々あってですね。僕も自立して親孝行しなければと思うようになったんです「素晴らしいですっ!!」
そこにカマンを押し除けてノーナがなんとストレイの真ん前に来てこう言った。
「ちょっとノーナどこから入って来たのよ!」
とカマン。
「ストレイさん貴方は立派な方です親孝行しようとしてお仕事を探しておられるんですよね?」
「ま…まあ…」
ストレイは顔を赤らめながら小声で答える。
「素晴らしいですご家族さんもとても喜んで「何やってるですかノーナちゃん!」
そこでシュカシュカがノーナの服の襟を掴んだ。
「駄目ですぅ営業の邪魔しちゃ!シュカシュカ達は向こうに言ってるですぅ!」
シュカシュカがノーナを引き摺り奥へと消える。
「可愛い子供達ですね♪」
「騒々しくてやんなっちゃうわ…」
ストレイがにっこりするがカマンは笑顔が崩れていた。
最初のコメントを投稿しよう!