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そしてそしてーーー
「うわあー僕の大切にしてた壺をーーーっ!あの犬かーーーーっ!!」
高価な壺が割られてしまいノフィンのハンサムな顔が怒りに歪む。
そしてそしてノフィンはあの犬、セイエを探す。
セイエはどうしようと言う表情でオロオロしていたが血走った目でセイエを探すノフィンから物陰に隠れようと走った。
するとセイエの姿を確認したノフィンはちょこちょこと走り回るセイエにめがけて薔薇を放った。
ビシッ!セイエのすぐ前に刺さる薔薇。
そしてそして影が覆ったかと思うと重力に逆らったように宙に浮かんだ。
それはノフィンが持ち上げたからだった。
「この糞犬め今日と言う今日は許さんここから追い出してやる!」
と怒り心頭でぶん投げようとする。
「やめてください!」
そこへシュカシュカが現れる。
「罰なら私が受けますだからだからこの子の事は許してください!」
シュカシュカは必死にセイエを庇いノフィンに懇望する。
元々女性に弱いノフィン。
彼はどうしようか迷った。
犬を追い出したいのは山々だし本来ならシュカシュカに厳罰を与えたい所だがそれは騎士の精神に反すると思ったのだった。
だからだから、それはあるやり方で許してあげる事にした。
「ニコ君、シュカシュカにはムチ20発、手加減無しでやってくれ」
「わかりました、来なさい!」
ニコは強引にシュカシュカを拷問室に連れて行き、扉が閉され、暫くするとそこから悲鳴とムチの激しい音が鳴り響いた。
セイエは拷問室から痛々しい音が響く度体をビクンとさせる。
これからは2度とイタズラしないようにしよう。自分を庇ってくれた飼い主の為に。
そしてこう誓うのだった。
「うぅ……痛つつっ…」
やがてキイッとドアが開きそこから苦痛に顔を歪ませたシュカシュカが姿を現す。
全身からは痛みから脂汗が滲み彼女の痛みがセイエにも伝わった気がした。
「クウゥン…」
セイエは心配そうにシュカシュカを見上げる。
「セイエ…お前の事は私が守るから……ノーナもついているから……」
シュカシュカは優しくセイエを抱き、セイエはシュカシュカの肌の温もりを感じた。
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