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そしてある日の事、ノーナはセイエを散歩に連れていく。
そんな時の事、卵がノーナにぶつかりノーナの顔に黄身が覆った。
「きゃっ!何これ…」
ノーナは黄身を拭い取り投げた連中をキョロキョロして探す。
「ワンワン!」セイエがある方へ向かって吠えていた。
ノーナが見るとあの時の悪ガキがへへへと笑いながら得意げに佇んでいた。
「さすがグエル・ジュダーク親分!凄い命中率でさぁ!」
「よせやい、やいチビ!あの時はお前の姉貴分に痛い目に遭わされたがあいつがいなければ俺達の独壇場だ!約束どおりその分の仕返ししに来たぜ!」
グエルと言われた少年(以降グエル)はそう言ってノーナ達に歩み寄る。
「相手にしないで、逃げるよセイエ」
「わんっ!」
ノーナ達がグエルから撒こうとする。
「逃すか!」グエルは輪を使ったロープを投げ、ノーナを捕える。
アスファルトに転ぶノーナ。
「グルルルル……」セイエがグエル達に唸る。
「やけに威勢の良いクソ犬だな、この女がいるからか?あの姉貴にやられた分お前にもたっぷりお礼してやるよ!」
グエルがセイエを踏みつけようとした。
「やめなさいっ!」
ノーナがグエルに飛びかかる。
「親分から離れろ!」
子分Aがノーナとグエルを引き剥がすがセイエが勢いよく子分Aに噛み付く。
「痛ってえこのクソ犬!」
「キャン!」セイエが投げ飛ばされる。
「許さない!ベルゼブブアターーーーック!!」
ノーナが必殺技を炸裂させる。
「なんて事するんだ!このお方はな!ジュダーク社の御曹司なんだぞ!」
子分A、Bが技を喰らったグエルの威を借りノーナを脅す。
「知るもんか!シュカシュカ先輩やセイエを悪く言う奴なんか!」
ノーナは負けじと睨む。
「もっとお仕置きが必要みたいだなこのグエル様の恐ろしさをもっと見せつけてやる!」
グエル達は更にノーナ達をいじめにかかった。
ーーーー
ノーナはボロボロになっていたが何故か充足感で満たされた顔をしていた。
「セイエ、貴方のおかげであの悪ガキ達をやっつけられたよ♪」
何とか悪ガキ達を追い払うのに成功したノーナはセイエを抱き上げた。
(相手が何かの御曹司だろうが私には関係ない!この子は私が守るんだから!)
とノーナは気丈に夕陽を見上げた。
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