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それから暫くノーシュカは楽しそうにセイエを育て、これからもセイエはすくすく育つだろうと言う時、突然セイエは体調を崩す。
「どうしたの!?」
「セイエがエサを吐き出して…」
ノーシュカは急いでセイエを動物病院に連れて行く。
「ハァハァ…」
セイエは苦しそうに悶えていた。
「セイエ…お願い死なないで!」
「大丈夫よセイエは死なないわ!」
セイエの無事を祈るノーナをシュカシュカは懸命に励ます。
暫くして主治医が現れた。
彼は深刻な表情をしていた。
「ガンが見つかりました。後長くて3ヶ月……」
「そんな………」
ノーシュカは頭が真っ白になった。
セイエは段々と弱っていく。
ノーシュカはそれまでセイエにつきっきりで世話をしたり遊んだりした。
そして主治医が宣告した最後の日がやって来た。
「セイエ………」
ノーシュカが涙を流しながらすっかり弱ってしまったセイエを見守り続ける。
セイエは弱った身体とは相反的にキラキラした瞳でノーシュカを見る。
『ありがとう………天国に行っても僕は見守り続けるからね』
そして最後にこう言ったのをノーナは感じ取った。
そしてセイエはそのまま固まり、動かなくなった。
「うえぇん、ぐすっぐすっ!」
ノーナはシュカシュカに飛びつき泣きじゃくる。
シュカシュカもノーナを抱きしめながら大泣きした。
そしてそして、チイチイやくるみん達も混ぜてノーシュカは十字の墓を建てて骨だけになったセイエを入れる。
「ノーシュカ、セイエは天国でめっちゃ感謝しとるで、せやから泣き止み」
チイチイはこう静かに労るがノーナの悲しみは暫く癒えなかった。
ーーー
ノーナは優美の家でも優美に心配され慰められる。
「ノーナちゃん元気出して…」
「………」
心にぽっかりと穴が開いたままのノーナ。
やがてケンノエが『ノーナ』とテレパシーで語りかけてきた。
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