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一人の少年がうなされていた。
彼の夢の中で青白い顔の少女が手招きしている。
『ヒューゴ…ヒューゴ…私は貴方の姉よ…ヒューゴ……』
少女はどこから出ているかわからない、幽霊が出しているような声で少年、ヒューゴに訴えかける。
「誰だ君は…僕は君の事なんか知らないよ…来ないで!」
ヒューゴは少女を恐れ逃げ惑う。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
草木をかき分けパジャマ姿のまま鬼気迫った表情で逃げ惑う少年。
しかし少女はヌッとヒューゴの目の前に現れる。
『ヒューゴ…』
「うわああぁ!!」
ガバッとヒューゴが布団を跳ね除けて起き上がる。
「ハァハァ……夢か……くっそ昨日と言いなんなんだよもう…!」
ヒューゴは頭を掻きむしった。
「どうしたのどうしたの?」
奥から母親らしい女性がヒューゴを心配して見に来た。
「おばさん…すみません何でもありません…」
ヒューゴは申し訳ないと言った感じに首を垂れて謝る。
「そう…とにかくとにかく寝なさい。明日も学校だからね」
女性はパタンとドアを閉めた。
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