ノーナとチイチイ弟

5/8
前へ
/300ページ
次へ
「痛てて…」 チイチイ弟が顎を抑える。 「大丈夫お兄ちゃん?」 ノーナがチイチイ弟を気遣う。 「ありがとうお嬢ちゃんは優しいなぁ」 チイチイ弟は穏やかに言った。 「お兄ちゃんはノーナが優しいと思う?」 「おう優しいで、さっきもワイを気遣ってくれたやんか」 チイチイ弟はそう言った。 「そ…そんなえへへ…♪」 ノーナは気恥ずかしくなり目が泳ぐ。 「でもでも、そんなに強いならなんでいじめられてたの?」 とノーナが尋ねる。 「ワイも好きでいじめられたんと違うよ」 チイチイ弟は少しムッとした感じに言った。 「ごめんね聞いちゃいけない事だった?」 「まぁな、ワイはどこ行ってもいじめられるんよ」 チイチイ弟は言った。 「辛いねお兄ちゃん…」 ノーナはチイチイ弟をヨシヨシした。 「ノーナもシャンティ王国にいたんだけど、そこではいつもいじめられてたの…だからだから、どこに行ってもいじめられると思ってたよ…」 とノーナは言った。 「そうやな、ワイとお嬢ちゃんは似たもの同士かも知れん。いじめられっ子はな、どこに行ってもいじめられっ子なんや」 とチイチイ弟は紡ぐ。 「そんな事ないよ、ラノベじゃ元いじめられっ子が勇者になったり、女の子にモテたりするもん!」 ノーナは話をラノベやアニメに持っていく。 「現実を見、現実はそんなに甘くないで」 チイチイ弟はある意味、世の中をよく知っているぞと言った感じに言った。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加