第2章

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 ゆっくりと重たい瞼を開く。  視界に映ったのは、見知らぬ天井。  それに驚きシャノンが身を起こせば、ここはどうやら寝台の上のようらしかった。 「……わた、し」  自身の手を見つめ、シャノンはそう呟く。  そうすれば、部屋の中にあるソファーの上にかかっている毛布が動く。……誰かが、いるらしい。  その人物はなんてことない風に起き上がり、目をこすりシャノンを見つめる。  彼を見た瞬間、シャノンには気絶する前の記憶がよみがえってきた。……そうだ。自分は王国軍に捕まって――。 (このニールという人に、純潔を散らされたんだわ……)  恐ろしくて、おぞましくて。シャノンはぎゅっと毛布を握る。  そんなシャノンを一瞥し、ニールは立ち上がる。彼が向かうのは、シャノンのすぐそば。 「……陛下からお達しだ。今後、お前の管理は俺がする」 「……え?」 「今後、お前をどう扱うかは俺に一任された」  つまり、シャノンの命が残るも散るも、ニールの気次第ということなのだ。  それを悟りつつ、シャノンはそっと目を伏せた。 (……手酷く、扱われるのよね)  捕虜なんてそんな存在だ。彼はシャノンを交渉材料に使うと言っていたので、殺しはしないだろう。が、命を取らない程度にいたぶる可能性は高い。  合わせ、慰み者にする可能性だって……。 「とりあえず、朝食を運ばせる。……ここで待ってろ」  シャノンの気持ちなど知りもしないのだろう。ニールはそれだけを呟くと、部屋を出て行ってしまった。  ……今ならば、逃げられるかも。  一瞬そんな感情が湧き上がったが、自身の足首に枷がはめられていることに気が付いて、あきらめた。
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